資金ショート寸前でも会社を止めなかった社長の共通点とは

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資金ショート寸前に追い込まれる会社は決して珍しくない

資金ショートという言葉を聞くと、多くの社長は「よほど経営が下手な会社がなるものだ」と感じるかもしれません。ですが、20年以上法人経営を続けてきた私の実感として、資金ショートは決して特別な失敗ではありません。

むしろ、会社を続けていれば一度も資金繰りに悩まないほうが珍しい。業種や規模に関係なく、多くの法人がどこかのタイミングで「このまま支払いができるだろうか」と不安を抱えています。

問題なのは、資金ショートの兆しを「異常事態」「終わりの合図」と思い込みすぎてしまうことです。そう考えた瞬間、社長の判断は一気に硬直します。冷静に打てたはずの手が、見えなくなってしまうのです。

黒字でも資金ショートする会社の構造

資金ショートを理解するうえで、まず押さえておくべきなのは「利益と現金は別物」という事実です。損益計算書で黒字が出ていても、手元の現金が足りなければ会社は回りません。

たとえば、売上は順調でも入金が数か月後になる一方で、仕入や人件費、家賃、借入返済は待ってくれない。こうしたズレが積み重なると、黒字法人でも簡単に資金ショートに近づきます。

特に社長が見落としやすいのは、「売上がある=安心」という思い込みです。実際には、資金繰り表を見なければ、来月・再来月に現金が足りるかどうかは分かりません。

資金ショートが現実味を帯びた瞬間、社長が感じる恐怖

資金ショートが頭をよぎった瞬間、社長の胸を締め付けるのは「支払い」「借入返済」「税金」が同時に迫ってくるあの感覚。誰にも相談できず、夜中に一人で通帳を眺めた経験がある社長も多いでしょう。

この状態になると、人はどうしても最悪の未来だけを想像します。社員にどう説明するか、取引先にどう思われるか、家族の生活はどうなるのか。不安が次々と連鎖し、冷静な判断力を奪っていきます。

恐怖そのものよりも厄介なのは、その恐怖が経営判断を鈍らせることです。本来なら検討できた選択肢に目が向かなくなり、「もう終わりだ」という結論だけが頭を支配してしまいます。

資金ショート寸前で「会社を止めた社長」と「止めなかった社長」の分かれ道

同じように資金が厳しい状況に追い込まれても、会社を止める社長と、何とか踏みとどまる社長がいます。この差は、能力や経験年数だけで決まるものではありません。

私が見てきた限り、分かれ道になるのは「考え方」です。資金ショートをどう捉え、どう向き合ったか。その姿勢の違いが、結果を大きく分けています。

すぐに「もう無理だ」と思考停止する社長の特徴

会社を止めてしまう社長に多いのは、最悪の結果だけを強く意識してしまう思考パターンです。「どうせ助からない」「迷惑をかける前に終わらせたほうがいい」と考え、行動を止めてしまいます。

その結果、金融機関や専門家への相談を避け、情報収集もしなくなります。恥やプライドが邪魔をして、孤立を深めてしまうのです。

ですが、皮肉なことに、何も動かないことこそが状況を悪化させます。選択肢は時間とともに減り、結果として本当に「打つ手がない」状態に追い込まれてしまいます。

資金ショート寸前でも行動を止めなかった社長の特徴

一方で、会社を止めなかった社長に共通しているのは、初動の早さです。彼らはまず感情と事実を切り分けます。「怖い」「不安だ」という気持ちは一旦横に置き、今の数字を確認する。

残高はいくらあるのか。いつ、いくら出ていくのか。逆に、確実に入ってくるお金は何か。その整理から始めています。

そして、「今できること」に集中します。完璧な解決策を探すのではなく、今日・今週・今月に打てる手を一つずつ積み重ねていく。その姿勢が、会社を止めない結果につながっています。

資金ショート寸前でも会社を止めなかった社長の共通点

ここからが本記事の核心です。資金ショートを乗り越えた社長たちに、特別な才能があったわけではありません。誰でも再現可能な共通点がありました。

資金ショートを「経営の一局面」と捉えていた

会社を止めなかった社長は、資金不足を「経営の失敗」ではなく、「経営の一局面」として捉えていました。山あり谷ありなのが法人経営であり、今はたまたま谷にいるだけだ、という認識です。

長期で会社を見ているからこそ、目先の資金繰りに感情を振り回されません。「今は苦しいが、ここを越えた先も会社は続く」という視点が、冷静さを保つ支えになっています。

数字から目を背けず、現実を直視していた

資金ショートを回避した社長ほど、数字から逃げません。資金繰り表や預金残高を毎日のように確認し、厳しい現実も正面から受け止めます。

「見ないこと」が一番のリスクだと理解しているからです。数字は嘘をつきません。だからこそ、現実を知ることで、打てる手も見えてきます。

一人で抱え込まず、早い段階で外に出していた

多くの社長が、資金ショートの相談をためらいます。「無能だと思われたくない」「もう相手にされないのではないか」。そう感じる気持ちは、私自身も痛いほど分かります。

しかし、会社を止めなかった社長ほど、早い段階で外に出していました。金融機関、税理士、信頼できる第三者に状況を共有し、選択肢を広げていたのです。

社長自身の実体験として語れる「資金ショート寸前」の話

私自身も、過去に何度か資金が回らなくなりかけた経験があります。売上はあるのに、支払いが重なり、月末の残高を見て背筋が冷たくなったこともありました。

当時一番苦しかったのは、「自分の判断が間違っていたのではないか」という自責の念です。夜眠れず、何度も会社を畳む選択が頭をよぎりました。

あの時に「会社を畳む」という選択をしなかった理由

正直に言えば、撤退という選択肢を完全に消せたわけではありません。ただ、その時に意識したのは、「感情で決断しない」という一点でした。

一晩で結論を出さず、数字を整理し、信頼できる相手に話を聞いてもらう。そのプロセスを踏むことで、気持ちは少しずつ落ち着いていきました。

結果的に役立った判断基準は、「今やめる理由が本当に揃っているか」という問いでした。恐怖だけで決めるには、まだ早いと気づけたことが、会社を続ける判断につながったのです。

資金ショートを恐れすぎず、会社を続ける判断力を持つために

資金ショートは、法人経営において誰にでも起こり得る現実です。そして、資金ショート=即終了ではありません。

大切なのは、恐れすぎず、現実を直視し、行動を止めないことです。社長が冷静な判断力を保てば、会社にはまだ選択肢が残っています。

※記事の真偽性及び、記事の内容を実行した場合の効果などを保証するものではありません。こちらの情報は、ご自身の自己責任でご活用ください。

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この記事を書いた人

20年間会社経営を続ける現役社長。
自身の経験をもとに、中小企業の社長が直面しやすい「資金繰りの悩み」や「銀行に頼れない場面での選択肢」を、分かりやすく実務的に解説している。
本ブログでは、資金繰り改善に役立つ知識や選択肢を提示し、読者が安定した会社運営を実現できるようサポートすることを目的としています。

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