資金繰りが苦しい夜に社長が読むべき話

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資金繰りの「悩み」は誰にでも訪れる

資金繰りの悩みは、どれだけ経験を積んだ経営者でも避けて通れません。利益が出ていても、売上が伸びていても、キャッシュが途切れる瞬間はいつでも訪れます。これは決して異常な状態ではなく、むしろ「事業を続けている証拠」と言ってもいいほどです。

ただ、資金繰りの悩みが続くと、人はすぐに「自分だけがうまくいっていない」と感じてしまうもの。

夜になると数字が頭の中でグルグル回り、眠りにつけない。朝起きた瞬間から胃が重い。そんな日々が続くと、精神的な孤独感が一気に強まります。

ですが、どうか覚えていてください。

あなたの悩みは、同じように事業を続けている多くの社長が経験してきた“共通の壁”です。私自身もその一人でしたし、今も資金繰りには常に気を配っています。

「誰にでも起きることなんだ」と気づくだけで、少し肩の力が抜けることがあります。まずはその感覚を取り戻してほしいと思っています。

私が初めて資金繰りで追い詰められた夜の話

私が初めて本気で資金繰りに追い詰められたのは、起業して4年目のことでした。

複数の借入返済が月末に重なり、さらに一度後回しにしていた税金の支払い期限も迫っていました。売掛金の入金予定と支払予定を何度見返しても、どう計算しても数字が合わない。穴が埋まらない。

その夜は眠れませんでした。布団に入っても頭の中では数字が跳ね回り、電卓を打つ手が止まらない。胸のあたりが常にザワザワして、胃はきりきりと痛み、呼吸も浅くなっていくき「このまま事業が終わるのかもしれない」と考えると、全身が冷たくなりました。

翌朝、机に向かう気力もわかず、しばらく椅子に座ったまま動けませんでした。「自分の力不足だ」「もっとやれたはずだ」という自責と、「誰にも相談できない」という孤独が、数日間ずっとつきまといました。

でも今振り返れば、あのときの私と同じ場所に、いまのあなたがいるのだと思います。あの深い谷を知っているからこそ、こうして寄り添うような文章を書けていますし、「抜け道は必ずある」と断言できます。

資金繰りの悩みがもっと悪化する社長の共通点

資金繰りの悩みが深刻化していくとき、多くの社長に共通している行動があります。私も当時そのすべてをやってしまっていました。だからこそ、同じ落とし穴にハマらないよう、ここでやさしくお伝えしておきたいと思います。

① 一人で抱え込む

資金繰りの悩みは、話した瞬間に「経営者として失格だ」と思われるのではないかという不安がつきまといます。しかし、黙って抱え込むほど視野は狭くなり、判断力も落ちていきます。

金融機関でも、会計事務所でも、信頼できる社長仲間でも構いません。誰かに状況を言葉で説明するだけで、意外と気持ちは軽くなります。

② 数字を見るのをやめる

追い詰められるほど、銀行残高やキャッシュフロー表を見るのがつらくなります。

ですが、数字から目を背けると「本当に危険なライン」を見誤ってしまいます。実際私も、状況を把握するのが怖くて数字を見なくなり、そのせいで判断が遅れて危機を深めてしまいました。

③ 相談や交渉を後回しにする

資金繰りに悩んでいる社長がよくやってしまうのが「ギリギリまで相談しない」という行動です。ですが、支払い条件の緩和や返済のリスケジュールは、早く動くほど選択肢が広がります。遅くなるほど、金融機関や取引先の対応は硬くなっていきます。

これらはどれも、当時の私がしてしまった行動です。だからこそ、いまのあなたには同じ失敗を繰り返してほしくありません。気持ちが弱っていると、人は自然とこの3つの行動に向かってしまうのです。

苦しくても前に進めた私の「小さな一歩」の話

状況が最悪に見えるとき、大きな改善策を考える余裕はありません。ですがどんなに苦しくても、「小さな一歩」なら踏み出せます。私が資金繰り難を突破できたのも、その一歩のおかげでした。

① 紙にすべての数字を書き出した

私はまず、口座残高、支払い予定、入金予定をA4の紙にすべて書き出しました。

パソコンではなく手書きです。

頭の中で想像していた不安は、実際に書き出してみると「思っていたより整理できるものだ」と感じました。紙に見える化するだけで、心のざわつきは確実に減ります。

② 「1件だけ」支払い交渉をした

全社に電話するのは気が重すぎたので、私はまず1件だけ交渉しました。

「今この状況で、支払いを1週間だけ待ってほしい」と勇気を持って伝えると、想像よりも理解を示してもらえました。そこから少しずつ他の取引先にも話し、気づけば資金ショートの危機を回避できていました。

③ とにかく1時間だけ眠った

切羽詰まったとき、睡眠を削って踏ん張ろうとする人は多いと思います。私もそうでした。ただ、徹夜続きだと判断力が一気に落ちます。私はある日、思い切って1時間だけ横になりました。その1時間で頭が少しクリアになり、資金繰り表を作り直す気力が戻ったのを今でも覚えています。

どれも小さな行動ですし、壮大な改革ではありません。ただ、この3つの小さな一歩が、私の資金繰り問題を抜け出すきっかけになりました。あなたにも、できる一歩が必ずあります。

資金繰りに悩む社長が「明日やるべき1つのこと」

今日ここまで読み進めてくださったあなたは、すでに「前へ進む準備」ができています。最後に、明日のあなたに向けて1つだけ行動をお伝えします。

明日、A4の紙に「今あるお金」と「今必要なお金」を書き出してください。

完璧な資金繰り表でなくて大丈夫です。ざっくりで構いません。書き出すこと自体が、心の負担を確実に和らげ、次の行動を起こすエネルギーになります。

資金繰りの悩みは、あなたが思っているほど特別ではありません。そして、追い詰められていた私でさえ抜け出せたのですから、今のあなたにも必ず突破口があります。明日、紙に数字を書き出す。その小さな行動が、あなたの明日を変える一歩になります。

※記事の真偽性及び、記事の内容を実行した場合の効果などを保証するものではありません。こちらの情報は、ご自身の自己責任でご活用ください。

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この記事を書いた人

20年間会社経営を続ける現役社長。
自身の経験をもとに、中小企業の社長が直面しやすい「資金繰りの悩み」や「銀行に頼れない場面での選択肢」を、分かりやすく実務的に解説している。
本ブログでは、資金繰り改善に役立つ知識や選択肢を提示し、読者が安定した会社運営を実現できるようサポートすることを目的としています。

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