社長が意外と理解していない「黒字なのに資金が減る」本当の理由

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社長が最初に知るべき結論「黒字でも会社の資金は簡単に減る」

結論からお伝えします。
会社は黒字でも、資金は簡単に減ります。

これは脅しでも極論でもありません。実際に、多くの法人が「黒字なのに資金が足りない」という状況に陥っています。

社長として決算書を見ていて「利益は出ている」「前年より黒字だ」と確認できると、どうしても安心してしまいます。しかし、その安心感こそが落とし穴になります。

黒字と資金残高は、まったくの別物です。この違いを正しく理解していないと、ある日突然、資金繰りが苦しくなり、最悪の場合は黒字倒産という事態にもつながります。

なぜ社長は「黒字=資金が増える」と勘違いしてしまうのか

多くの社長が「黒字なら会社は大丈夫」と考えてしまうのには、理由があります。

それは、法人経営において利益と資金の違いを体系的に教わる機会がほとんどないからです。

私自身もそうでした。現場で必死に売上を作り、数字は税理士に任せ、決算書は結果確認として眺めるだけ。これでは、資金の動きが見えなくて当然です。

会社の黒字は「帳簿上の数字」にすぎない

決算書に出てくる黒字は、あくまで会計上の利益です。

売上が計上された時点で利益は発生しますが、その時点で実際に資金が入ってきているとは限りません。ここに大きなズレがあります。

つまり、黒字とは「儲かったように見える数字」であり、手元資金の増減とは必ずしも一致しないのです。

社長が法人の資金の流れを体系的に教わる機会が少ない

中小企業の社長の多くは、現場叩き上げです。営業、技術、職人、サービス業など、事業のプロであっても、資金管理のプロではありません。

数字の話は税理士任せになりがちで、「黒字です」「税金これくらいです」と結果だけを聞く経営になってしまいます。

その結果、資金の流れを自分の頭で理解しないまま経営判断をしてしまうのです。

黒字なのに会社の資金が減る代表的な5つの理由

ここからが本題です。
黒字なのに資金が減る原因は、特別なことではありません。法人経営ではごく普通に起こります。

売上は立っているが、入金がまだ先に来ない

典型的なのが、売掛金の存在です。

売上は計上されているため黒字になりますが、実際の入金は翌月、あるいは数か月後というケースもあります。

その間も、給料や外注費、家賃などの支払いは待ってくれません。これが黒字でも資金が増えない最大の理由です。

法人税・消費税などの税金支払いで一気に資金が出ていく

黒字になると、必ず後からやってくるのが税金です。

特に消費税は「預かっている感覚」が薄いため、資金として使ってしまいがちですが、支払時期になると一気に資金が出ていきます。

黒字=資金余裕と勘違いしている社長ほど、ここで資金繰りが一気に苦しくなります。

借入金の元本返済は黒字でも資金を減らす

借入金の返済のうち、元本部分は損益計算書に出てきません。

つまり、黒字でも毎月確実に資金が減っていきます。

「利益は出ているのに、なぜ残高が増えないのか」と感じたとき、多くの場合、この返済が原因になっています。

設備投資や車両購入で一時的に資金が減る

設備投資は将来の黒字拡大に必要ですが、支払いは一括で出ていくことが多いです。

会計上は減価償却で分割されますが、資金は一気に減ります。

黒字経営を続けるつもりの投資が、短期的には資金を圧迫する。この構造を理解していないと危険です。

在庫増加が会社の資金を静かに奪っていく

在庫も立派な資金です。

売れる前の在庫は、現金がモノに変わった状態にすぎません。帳簿上は問題なく見えても、資金は拘束されています。

気づかないうちに資金が在庫に変わり、動かせなくなっているケースは非常に多いです。

実際に私が「黒字なのに資金が減る怖さ」を痛感した場面

私自身、黒字決算が続いていた時期に、資金繰りで頭を抱えた経験があります。

決算書だけを見れば順調でした。しかし、売上拡大に伴い入金サイトが長くなり、設備投資も重なり、気づいたときには口座残高が想像以上に減っていました。

そのとき初めて、「数字上の黒字だけ見ている経営は危険だ」と痛感しました。

社長が今すぐ意識すべき「資金」の見方

難しい管理をする必要はありません。大切なのは視点を変えることです。

損益計算書だけで会社を判断しない

損益計算書は重要ですが、それだけでは不十分です。

黒字かどうかではなく、「資金は増えているか」「減っていないか」を常に意識する必要があります。

法人経営では「資金残高」を最優先で確認する

社長が最低限見るべき数字は、口座残高です。

毎月、資金残高を確認するだけでも、経営の危険察知能力は大きく上がります。

利益よりも先に、資金を見る。この順番を意識してください。

黒字なのに資金が減る会社が最後に陥る危険なパターン

資金管理を軽視すると、判断が遅れます。

気づいたときには資金が足りず、慌てて追加借入をし、不利な条件を飲まざるを得なくなります。

黒字なのに選択肢が減っていく。これが最も危険な状態。黒字は大切ですが、会社を守るのは資金です。

黒字=安心という思い込みを捨て、資金の動きに目を向けることで、経営の安定度は大きく変わります。

ぜひ今日から、決算書だけでなく、資金残高を見る習慣を持ってください。それが、会社を長く続けるための第一歩です。

※記事の真偽性及び、記事の内容を実行した場合の効果などを保証するものではありません。こちらの情報は、ご自身の自己責任でご活用ください。

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この記事を書いた人

20年間会社経営を続ける現役社長。
自身の経験をもとに、中小企業の社長が直面しやすい「資金繰りの悩み」や「銀行に頼れない場面での選択肢」を、分かりやすく実務的に解説している。
本ブログでは、資金繰り改善に役立つ知識や選択肢を提示し、読者が安定した会社運営を実現できるようサポートすることを目的としています。

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