資金繰りが急変したとき、社長が絶対にやってはいけないNG行動5つ

資金繰りは、じわじわ悪くなるものだと思われがちですが、実際には「ある日突然」急変します。売上の急減、取引先の倒産、想定外の支払い。どれも珍しい話ではありません。

そして、その瞬間に社長がどう動くかで、その後の選択肢は大きく変わります。正しい一手を打てるかどうか以前に、やってはいけない行動を避けられるかどうかが分かれ道になります。

資金繰りが苦しくなった局面では、「正解を探す」よりも先に、「致命的なNG行動を取らない」ことが何より重要です。本記事では、私自身の経営経験も踏まえながら、社長が絶対に避けるべき行動を整理します。

目次

多くの社長が陥る資金繰り悪化時の共通パターン

資金繰りが悪化すると、社長の頭の中は一気に混乱します。焦り、不安、恐怖。冷静なときにはしない判断を、無意識に選んでしまう状態に。

特に強いのが「まだ何とかなるはずだ」という正常性バイアスです。現実を直視すること自体が怖くなり、数字を見ることや人に相談することを後回しにしてしまいます。

私が20年間経営を続けてきて感じるのは、資金繰りが苦しくなった社長の行動パターンは驚くほど似ているということです。そして、その多くが同じNG行動で状況を悪化させています。

社長がやってはいけないNG行動① 資金繰りの現状を直視しない

最も多く、そして最も危険なのが、資金繰りの現状から目を背けることです。資金繰り表を見ない、口座残高を確認しない、「忙しいから後で」と先送りする。これは経営判断ではなく、現実逃避です。

「まだ大丈夫」「来月の入金で何とかなる」という思い込みは、資金繰りを一気に詰ませる原因になります。現状を正確に把握していない状態では、どんな対策も打てません。

社長がやってはいけないNG行動② 場当たり的な借入・カード利用に走る

資金が足りないと、「とにかく今を乗り切る」ために借りられるところから借りてしまいがちです。条件をよく見ずに借入を重ねたり、法人カードや個人カードで支払いを先延ばししたりする行動です。

こうした借入は、後になって必ず経営を圧迫します。金利、返済期間、元本据置の有無。これらを把握せずに借りると、数か月後に返済が重くのしかかります。

一時しのぎのつもりが、慢性的な資金不足を生む。この悪循環に入ると、社長の判断余力は一気に奪われます。借入自体が悪いのではなく、場当たり的な借入がNGなのです。

社長がやってはいけないNG行動③ 誰にも相談せず一人で抱え込む

資金繰りの問題ほど、社長を孤独にするものはありません。社員に言えない、家族にも言いにくい。結果として、誰にも相談せず一人で抱え込んでしまいます。

しかし、相談が遅れれば遅れるほど、選択肢は確実に減ります。金融機関、税理士、外部の専門家。早い段階なら取れた手が、手遅れになることは珍しくありません。

私も過去に、もっと早く相談していれば違う手が打てたと後悔した経験があります。プライドよりも会社を守ることを優先する。その決断ができるかどうかが、社長の分かれ目です。

社長がやってはいけないNG行動④ 支払いを感情で優先順位づけする

資金が足りなくなると、支払いの優先順位を決める必要が出てきます。このとき、「長年の付き合いだから」「断るのが気まずいから」という感情で判断するのは非常に危険です。

本来、支払いには明確な優先順位があります。止めてはいけないもの、遅らせると致命傷になるもの。これを整理せずに感情で動くと、連鎖的なトラブルを招きます。

一度信用を失うと、回復には時間がかかります。社長の役割は、嫌われないことではなく、会社を存続させることです。その視点を失ってはいけません。

社長がやってはいけないNG行動⑤ 根性論で売上だけを追いかける

資金繰りが厳しくなると、「とにかく売上を上げれば何とかなる」と考えがちです。しかし、売上とキャッシュは別物です。売上が増えても、資金繰りが改善しないケースは山ほどあります。

値引き、無理な受注、回収条件の悪化。これらは一時的に売上を作れても、キャッシュを減らします。利益と現金の視点が抜け落ちた売上至上主義は危険です。

私自身、売上は伸びているのに口座残高が減り続けた経験があります。そのとき初めて、「売上=安心ではない」という現実を痛感しました。

では資金繰りが急変したとき、社長は何からやるべきか

ここまでのNG行動を避けた上で、社長が最初にやるべきことはシンプル。

現状を把握し、選択肢を整理し、早めに相談する。この順番を守ることです。

完璧な正解を探す必要はありません。致命傷を避ける行動を取ることが最優先です。動き出しが早ければ、打てる手は必ず増えます。

資金繰りが厳しいと感じたら、今日中にやってほしいこと

今日中に確認してほしいのは、手元資金、今後3か月の入出金予定、止められない支払いです。

難しい分析は不要です。現実を数字で把握してください。

そして、一人で抱え込まないこと。信頼できる専門家に連絡を取るだけでも、頭の整理が進みます。社長が冷静さを取り戻すことが、会社にとって最大のリスク回避になります。

資金繰りが急変すること自体は、珍しいことではありません。問題は、そのとき社長がどう動くかです。NG行動を避ける。それだけで、会社の未来は大きく変わります。

※記事の真偽性及び、記事の内容を実行した場合の効果などを保証するものではありません。こちらの情報は、ご自身の自己責任でご活用ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

20年間会社経営を続ける現役社長。
自身の経験をもとに、中小企業の社長が直面しやすい「資金繰りの悩み」や「銀行に頼れない場面での選択肢」を、分かりやすく実務的に解説している。
本ブログでは、資金繰り改善に役立つ知識や選択肢を提示し、読者が安定した会社運営を実現できるようサポートすることを目的としています。

コメント

コメントする

目次